クラシックがビジネスで利用できる!?

皆さんこんにちは!宇都宮でピアノ教室を開いております長尾です。クラシック音楽ってなんか難しいし、何がいいか理解できないという方も多いのではないでしょうか?そこで、今回はビジネスという面からみてクラシックの良さというものをお話ししていければと思います!

目次

政治家になるために音楽を学んだ古代ギリシャ時代

音楽特にクラシック音楽の起源は古代ルネサンスとされ、「ルネサンス音楽」が現在のクラシックの起源とされています。しかし、それ以前かた音楽が学問のとして重要視されていたことをご存知でしょうか?実は古代ローマ時代には音楽は法を学ぶ、国を収める上でとても必須となっていました。

プラトンによるアカデメイアの設立

そもそも何故音楽が重要視されたのか?それは音楽の調和がポイントとなってきます。

古代ギリシャでは「数の比」がとても大事にされてきました。そして、ピタゴラスによって音程の数比が発見されました。(完全4度 4:3)(完全5度3:2)など、またこの音程の比率、調和の法則において宇宙と人間の構造が同じではないかと考え、音楽にある秩序を人間も学ぶことによって世界に調和を与えることも可能なのではないかと考えました。

そしてその意思を継ぎ、アカデメイア(現在のアカデミアの由来となるもの)を設立したのがソクラテスの弟子、プラトンです。プラトンは実際はソクラテスの弟子ではありますが、ピタゴラスの思想を継いでいるという説もあります。ここでプラトンの『国家』(プラトンによる政治哲学書)からある一節を紹介したいと思います。

ソクラテス「音楽・文芸に由る教育は(若者に)、決定的に重要なのではないか。なぜならば、リズムと調べというものは、何にもまして魂の内奥へと深くしみこんでいき、何にもまして力づよく魂をつかむものなのであって、人が正しく育てられる場合には、気品ある優美さをもたらしてその人を気品ある人間に形作り、そうでない場合には反対の人間にするのだから。
 そしてまた、そこでしかるべき正しい教育を与えられたものは、欠陥のある、美しく作られていないものや自然において美しく生じていないものを最も鋭敏に感知して、かくてそれを正当に嫌悪しつつ、美しいものをこそ賞め讃え、それを喜びそれを魂の中へ迎え入れながら、それら美しいものから糧を得て育まれ、みずから美しくすぐれた人となるだろうし、他方、醜いものは正当にこれを非難し、憎むだろうから―まだ若くて、なぜそうなのかという理(ことわり)を把握する事ができないうちからね。やがてしかし、理が彼にやって来たときには、このように育てられたものは誰にもまして、その理と親近な間柄となっているためにすぐ選別できるから、最もそれを歓び迎えることになるであろう。」 

プラトン『国家』上、藤沢令夫訳、岩波文庫、1979年

これはプラトンが師ソクラテスの言葉を引用したものです。音楽と文芸による教育が「真・善・美」の美において美しいものを敏感に感知して美醜をより分けられる人間になるための教育であると述べています。そのためアカデメイアでは予備科目として算術、平面幾何学、立体幾何学、天文学、音楽理論ガ必須とされていました。今みたく音楽は娯楽として捉えてはいなく、国家を運営する人物は音楽も学び人間として美醜を区別できる人間でなければいけないとされていました。

ヨーロッパでの音楽ビジネス

プラトンの思想がその後のヨーロッパに多大な影響を与え、中世以降のヨーロッパでの大学では音楽はリベラルアーツとして文法・修辞学・弁証法の3学と算術・幾何・音楽・天文学4学科が教えられてきました。

この頃から音楽は宗教音楽として様々な発展をとげていきます。勿論、それ以前も様々な音楽が発展していたと思いますが、残された資料が現存しないので解明しようがないのです。古代ギリシャ時代では人として音楽を学んでいましたが、中世以降はその宗教を確立するうえでとても大事な要素となってきます。これもある種宗教に於けるビジネスといっても過言ではないでしょうか?また国と宗教の結びつきはとても強く、人々の生活様式もまた芸術もは宗教的な教条を基盤に形成されていました。

現在の音楽とビジネス

ここが一番気になる内容ですよね?皆さんはソニーの創業者盛田昭夫さんが東京フィルハーモニー交響楽団の会長だったことをご存知ですか?ソニーを海外進出する際、楽団の会長ということを知らない時は「エコノミックアニマル」と揶揄されたりしていましたが、楽団の会長と知った途端周囲の対応が良くなったというのです。それ程クラシック音楽に携わっていたり知識があることはビジネス、特に上層部の方と付き合う上でとても重要なことだったのです。

また、アメリカのウォールストリートのトップから話を聞くにはベートーヴェンやシェイクスピアを知らないと話しもさせてくれないという話やイギリスでは接待でオペラ鑑賞だったり、趣味なのでクラシック鑑賞の話をだすとその後の取引がスムーズにいくという話もあります。これらの話は以下にクラシック音楽の知識がビジネスに役に立つか実感する話だったのではないでしょうか?

趣味ではなくビジネスとしてクラシックを知る

日本ではクラシック音楽に限らず、音楽というのは趣味や習い事としての認識が強いと思います。それは戦後の復興でピアノが少し頑張れば手に入る時代になったり、ヤマハ音楽教室の誕生でより音楽が身近になったからだと思います。これらは日本でのクラシック音楽の発展に於いてとても欠かせないキーポイントだったと思います。しかし現在は習い事としての認識が強くなってしまったために人生においての優先順位が下がり、受験などを理由に辞めてしまうことも事実です。

趣味として捉えているうちはクラシック音楽をまた始めようや聴きに行ってみようと思う方は少ないかもしれませんが、ビジネスで役に立つと知ったら考え方がかわるのでしょうか?今やビジネスでは当たり前となってきている英語の習得。これも少し前までは習い事の認識が強かったと思いますが、今がビジネスをするうえでは欠かせないものとなっております。クラシックがビジネスで役に立つと知り、ビジネスで這い上がろうとする方が増えれば日本でのクラシック音楽もまた需要が増えるのでないかと思います。

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