毎日ハノンをしているのに指が固まる!?お子さんの手に起きていること

皆さんこんにちは!

宇都宮・東京・オンラインで、身体の使い方から演奏を見直すピアノレッスンを行っている長尾大志です!

「ハノンを毎日練習しています」

そうおっしゃる保護者の方は少なくありません。

指がよく回るようになってほしい。
基礎をしっかり身につけてほしい。

そう願って、お子さんに毎日ハノンを続けさせているご家庭は多いと思います!

実際、ある程度まではハノンで指は回るようになります。

ただ、その先にもう一つ、見えにくい壁があります。

初回レッスンに来たあるお子さんのハノンを見た時、「どこが一番固まってる?」と聞くと、すぐに「ほとんど固まってて」と答えてくれました。

がんばって練習してきた子ほど、実は自分の手の状態をちゃんと感じ取っています。

私自身も、大学まで毎日ハノンを2、3曲弾いていました。調を変えたり、リズムを変えたり。

それで指がもっと回るようになったか?

曲の中で固まらずに弾けるようになったか?というと、そうではありませんでした。

今は大学時代のようにハノンを練習していません。

それでも、今の方が指は動き、疲れにくくなっていると感じています。

「よく回る指」と「固まらずに動く指」は、実は別のものなのです!

回る指と、固まらない指は違う

お子さんがハノンを弾いているとき、手や腕がどんな状態になっているか、見たことはありますか?

初回レッスンで見たお子さんは、こんな状態で弾いていました。

  • 手首をぎゅっと固めている
  • 指の関節をカチカチにしている
  • 腕ごと力が入ったまま、指だけを動かしている

おそらく、この状態に近いお子さんは多いと思います。私自身も、弾き始めの最初は力が抜けているものの、速いパッセージを何回も続けていると似たような状態になっていました。

この弾き方でも、指は器用に動くようになりますし、指先も多少は強くなります。

ただ、曲の中でこんな状態で弾く場面はあるでしょうか?

ハノンを練習する最終的な目的は、曲に活かすためですよね。

ハノンで「固めて弾く」ことが当たり前になると、曲を弾くときも同じことが起きます。

それが、曲になると弾きにくくなる理由の一つになってしまうのです。

指が固まりやすくなる、3つの視点

視点1:腕の筋肉「だけ」に頼っていないか

指を動かす力の多くは、腕(ひじから手首までの部分)の筋肉が生み出しています。

一方で、手のひらの中にも小さな筋肉があります(虫様筋・ちゅうようきん など)。

この筋肉は、大きな力を出すというより、指の細かな動きや位置の感覚に関わる筋肉だと考えられています。

指を動かす前腕の筋肉だけでなく、手の中の小さな筋肉も一緒に働くことで、指の細かな動きや安定感をつくっているわけです。

この二つがつながることで、手首や指を固めなくても、しっかりした音が出せるのです!

ところが、固めた手でハノンを繰り返していると、腕の筋肉だけで指を動かすクセがつきやすくなります。

手の中の筋肉の繊細な働きが、使われないままになってしまうのです。

視点2:必要以上の「引っ張り合い」が続いていないか

腕には、指を曲げる筋肉と、指を持ち上げる筋肉があります。

鍵盤を弾く瞬間、この二つが少しだけ同時に働いて、関節が崩れないように支えてくれています。

これは必要な働きです!

問題なのは、手首や指を固めたまま弾き続けて、この引っ張り合いが必要以上に、ずっと続いてしまうことです。

綱引きをしながら走ろうとするようなもので、動くたびにブレーキがかかります。

これが、長く弾くと手が疲れやすい、指が思うように動かない、という状態につながります。

大切なのは、力をゼロにすることではありません。

支えるところは支え、それ以外は自由にしておくことです!

視点3:「回る」ことがゴールになっていないか

指がよく回ること自体は、悪いことではありません!

ただ、それだけをゴールにすると、固めた手で力任せに動かす弾き方でも、一見「できている」ように見えてしまいます。

本当に見てほしいのは、速く動かせるかどうかよりも、長く弾いても指が固まらないかどうかです。

この視点がないと、がんばって練習しているのに手が疲れやすい、弾きにくそうにしている、ということが起きやすくなります。

先生によって言うことが違うのは、なぜ?

「もっと丸く」「指を伸ばして」「力を抜いて」。

先生や教室によって、言われることが違うと感じたことはありませんか?

この理由は先生によって、身体の使い方に対する考え方や言葉が違うから!そして、同じ先生でも、その子の手の大きさや状態によって伝え方は変わる事はよくあります!

私も、先生の手の形をそのまま真似させるのではなく、その子の手や身体に合わせて音の出し方を見ることを大事にしています。

これまでの指導が間違っていたわけではないので、安心してくださいね!

ご家庭でできる、今日の1アクション

ハノンの前に、1日数分だけ、この動きを試してみてください。

  1. 指先を鍵盤の上にそっと置く
  2. 指先は伸ばしたまま、指の付け根(手のひらとの境目)だけをゆっくり曲げる
  3. ゆっくり元に戻す

速さはいりません。ゆっくりで大丈夫です!

指の付け根から曲げて、指先は伸ばしておく。この動きは、虫様筋など手の中の筋肉が関わっています。

手首や腕に力が入っていないか、親子で一緒に見てみてください。うまくできなくても大丈夫です。まずは「付け根から動く」感じを知るだけで十分です!

速く動かす練習だけでなく、固めずに動かす感覚も一緒に育てていってほしいです!

まとめ

ハノンで指がよく回ることと、曲の中で指が固まらないことは、別の力です。

腕の筋肉だけに頼らず、手のひらの中の小さな筋肉とつなげて使っていくことが、長く安心してピアノを続けるための土台になります。

先生ごとに言葉が違って聞こえても、それは手に合わせた言い換えであることがほとんどです。

ただ、お子さんの手の状態を文章だけで見極めるのは難しいところがあります。

「うちの子の手はどうなっているんだろう?」と気になったら、一度見せてくださいね!

自分が指導する弾き方は、小さなお子さんから大人の方まで、身体に無理のないピアノ奏法です!

一人ひとりの手や身体に合わせて、豊かで響きのある音を一緒に目指していきます。
これまで技術的な限界を感じていた方にも、別の視点から演奏を見直すきっかけになればと思います!

レッスンは東京・宇都宮・オンラインで行っています。
また、不定期で地方でのレッスンも開催しています。

ぜひお気軽にお問い合わせください。お待ちしております!

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