About / Nagao Taishi

身体を変えたかった
のではなく、
出したい音がありました。

思い描いている音楽を、
実際の音として表現できない。

私自身が感じてきたその違和感が、
身体と音の関係を見直す原点になりました。

My Origin

練習しているのに、
身体が演奏に
ついてこない。

幼い頃からピアノを学び、音楽高校、音楽大学へと進みました。

毎日練習し、ハノンやリズム練習にも取り組んでいました。

それでも、難しいパッセージになると指が動かなくなる。
音量を出そうとすると身体が固まる。
頭の中では音楽が分かっているのに、それを演奏として表現できない。

当時の私は、その原因を練習量や才能の差だと考えていました。

もっと練習すれば弾けるようになる。

指が強くなれば、自由に演奏できるようになる。

そう信じて繰り返しても、身体の使い方そのものは変わりませんでした。

むしろ、弾こうとするほど力が入り、出したい音から遠ざかっていきました。

Turning Point

これまでの弾き方を、
一度手放す。

転機となったのは、現在の師である大野眞嗣先生との出会いでした。

そこで初めて、自分が当たり前だと思っていた弾き方を、一から見直すことになりました。

難しい曲をさらに弾き込むのではなく、簡単な教本や基礎的な音型へ戻る。

一音を出すときに、次のことを細かく確認しました。

  • 身体のどこを固めているのか
  • 鍵盤からの負荷をどこで受け止めているのか
  • 音を出す前後で身体がどう変化しているのか
  • その動きが音色にどう表れているのか

それまでの私は、指や腕から余分な力を抜くことばかり考えていました。

しかし、実際に必要だったのは、ただ緩めることではありませんでした。

Foundation

力を抜く前に、
演奏を支える土台が
必要でした。

必要な支えがない状態で力を抜こうとすると、音は不安定になります。

身体はその不安定さを補うために、再び指や腕を固めます。

つまり、

力を抜けないから弾きにくい

のではなく、

演奏を支える土台がないため、固めなければ弾けない

という状態が起きていたのです。

手のひらや前腕が鍵盤からの負荷を受け止められるようになると、指先だけで音を支える必要がなくなります。

その結果として、演奏を妨げていた余分な力を少しずつ減らせるようになりました。

私が大切にしているのは、すべての力をなくすことではありません。

必要な支えをつくり、不要な力を減らすこと。

これが、身体を無理に緩めるだけではない、現在の指導の土台になっています。

虫様筋
手のひらの中にあり、指を効率よく動かす要となる筋肉です。
共収縮
曲げる筋肉と伸ばす筋肉が同時に固まる、アクセルとブレーキを同時に踏んでいるような状態です。
Beyond the Body

身体が変わると、
音楽を考える余裕が
生まれました。

弾き方を見直し始めた頃は、身体のことを考えるだけで精一杯でした。

しかし、身体が固まらずに動けるようになるにつれて、それまで十分に扱えなかったことが見えるようになりました。

音を出したあとまで響きを聴くこと。
メロディーと内声を異なる質感で弾くこと。
和声の変化に合わせてフレーズを動かすこと。
一曲全体をどのように構成するか考えること。

ここで初めて分かりました。

身体の使い方を変えることは、ゴールではありません。

身体が音を妨げない状態をつくり、その音をフレーズや楽曲全体へつなげること。

それによって初めて、頭の中にある音楽を演奏として表現できるようになります。

身体から音へ。

音から音楽へ。

現在のレッスンで大切にしている考え方は、私自身が演奏を再構築してきた過程から生まれました。

Sound First

正しい弾き方を
覚えることが、
目的ではありません。

手の形、指の角度、手首の高さ。

外から見える形だけを整えても、出したい音につながるとは限りません。

また、一つの奏法が、すべての人やすべての音楽に当てはまるとも考えていません。

柔らかい音を出したいのか。
芯のある音を出したいのか。
遠くまで届く音を出したいのか。
内声を抑え、メロディーを浮かび上がらせたいのか。

必要な身体の使い方は、出したい音によって変わります。

そのため、私のレッスンでは最初に、

どのような音を出したいのか

を確認します。

奏法に音楽を当てはめるのではなく、出したい音から身体の使い方を考える。

これが、

音が先、奏法は後。

という考え方です。

Teaching Principles

私がレッスンで
大切にしていること

01

形を直すのではなく、
原因を整理する

「指が反っている」「肩が上がっている」「手首が固い」

外から見える状態だけを直そうとしても、その原因が別の場所にあることがあります。

指を固めている原因が、手のひらの支えにある場合もあります。
肩が上がる原因が、指先だけで音を支えようとしていることにある場合もあります。

見えている形を無理に変えるのではなく、なぜその動きが必要になっているのかを身体全体から整理します。

02

感覚を、言葉と構造で整理する

「力を抜いて」「もっと歌って」「柔らかい音で」

こうした言葉が間違っているわけではありません。

ただ、それだけでは、身体の何を、どのように変えればよいのかが分からないことがあります。

レッスンでは、身体の構造や動きを分かりやすく説明しながら、実際の感覚と結びつけます。

知識を覚えることが目的ではありません。

自宅でも新しい感覚を思い出し、自分で再現できるようになるために、言葉と構造を使います。

03

身体・音・楽曲を切り離さない

身体のトレーニングだけを行って、レッスンを終えることはありません。

新しい身体の使い方によって、次のことまで実際の楽曲の中で確認します。

  • 音がどう変わったのか
  • その音をどのフレーズで使うのか
  • 声部のバランスをどう変えるのか
  • 和声や曲の構成とどうつなげるのか

身体を整えることは、音楽を表現するための入口です。

最終的には、一曲の演奏をどのように作るかまで扱います。

04

レッスンがなくても、
自分で演奏を育てられるようにする

レッスン中だけ弾けても、自宅へ戻ると元の弾き方に戻ってしまうことがあります。

そのため、次のことまで共有します。

  • 自分の身体の状態をどう確認するか
  • 音の違いをどう聴き分けるか
  • うまくいかない原因をどう整理するか
  • どの順番で練習するか

答えを一方的に渡すのではなく、自分の耳と身体を使って、演奏を組み立てられるようになることを目指します。

05

長くピアノを続けられること

その場で難しい曲を弾けることだけでなく、年齢を重ねてもピアノを続けられることを大切にしています。

身体を酷使して一時的に弾くのではなく、必要以上に固めず、音楽を考えられる状態を育てる。

趣味で学ぶ方にも、専門的に取り組む方にも、長く演奏を続けるための土台は必要です。

身体に痛みや強い違和感がある場合は、無理に演奏を続けず、必要に応じて医療機関への相談を優先してください。

※レッスンは医療的な診断や治療を行うものではありません。

For Current Students

別の視点から、
演奏を掘り下げる。

現在ほかの先生に習っている方も受講されています。

指導方法の優劣を決めたり、現在の先生の考え方を否定したりすることが目的ではありません。

普段のレッスンで言われていることを、身体と音の面から、どのように実現するかを一緒に整理します。

身体の使い方だけを確認したい方。
一曲を継続して深めたい方。
コンクールや本番に向けて、別の視点から演奏を見直したい方。

現在の学習環境や目的を伺いながら、必要な内容を扱います。

ピアノを演奏する長尾大志
Profile

Taishi Nagao

長尾大志

  • ヤマハ音楽教室、東京音楽大学附属音楽教室、東京音楽大学附属高等学校を経て、東京音楽大学ピアノ演奏家コースを卒業。
  • 第17回ロシアン・ピアノスクール in 東京を受講。
  • 第30回全日本ジュニアクラシック音楽コンクール大学生の部第4位。
  • 第10回栃木県ピアノコンクールG級ソロ部門第5位。
  • 現在、大野眞嗣氏に師事。

大学卒業後、自身の奏法を約5年間かけて一から見直した経験をもとに、身体の構造と音楽表現を結びつけるピアノ指導を行っています。

指導地域

東京・宇都宮・オンライン
大阪をはじめとする地方対面レッスンも不定期で開催

Final Message

手の形は、
出したい音に合わせて
変わります。

少しでも、思い描いている音に近づきたい。
身体に無理をさせず、長くピアノを続けたい。
弾けるだけではなく、自分の音楽を表現したい。

そのために必要なのは、決められた形を覚えることではありません。

現在の身体と音を知り、必要な土台をつくり、出したい音に合わせて身体を使えるようになること。

そして、その音をフレーズや曲全体へつなげることです。

あなたが出したい音を、
あなたの身体で表現できる状態へ。

身体・音・音楽の三つの視点から、
一緒に演奏を育てていきます。

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